<イスラム行事>インドネシアの巡礼事情と犠牲祭

09月27日
 2013年は10月6日から11月4日までが、イスラム暦1434年の巡礼月。インドネシアからは毎年約20万人のムスリムがサウジアラビアの聖地を訪れます。また、巡礼月には、レバランに並ぶ宗教的行事「犠牲祭」がであります。今回は、インドネシアの巡礼事情と犠牲祭について紹介します。

  • 実は定員制!「巡礼」の仕組み
  • インドネシアの2大祭り「犠牲祭」

 の順に紹介します。

実は定員制!「巡礼」の仕組み

 巡礼は、イスラム教徒が生涯のうちにやらねばならない五行(信仰告白、礼拝、喜捨、断食、巡礼)の一つ。サウジアラビアにある預言者ムハンマドの墓や聖域カーバ神殿などを巡る、宗教的行為です。アラビア語で「ハッジ」。


 巡礼には2種類あります。


<ハッジ(大巡礼)>

  • イスラム暦の12番目の月である巡礼月に、決められた日程に沿って行う巡礼。
  • サウジアラビア政府が毎年200万人の定員を設け、各国に割り振っている。インドネシアの定員は約20万人で、宗教省が管理している。
  • 宗教省が運営する大巡礼ツアーでのみ参加できる。
  • 旅行日程は約30日、旅費は45万円程度。多くの人は何十年も銀行で積み立てて行く。そのため、参加者は高齢者が多め。
  • 定員は地方に細かく割り当てられる。定員オーバーのため、大巡礼20年待ちの地域もあれば、5年で行ける地域もあり、待ち時間の差が問題になっている。


<ウムロ(小巡礼)>

  • 巡礼月以外の月に行う巡礼。断食月(ラマダン)中に行く人が多い。
  • こちらも定員制。指定旅行代理店を通じて申し込む。
  • 旅行日程は約10日ー2週間、旅費は15万円程度。
  • 小巡礼の前後にトルコやマレーシアなどイスラム国へのオプションツアーがついたプランもある


 巡礼はムスリムの生涯の義務でありながら、金銭的な負担も大きいため、必ずしも全員が行ける訳ではありません。巡礼に行った人はムスリム社会で尊敬されています。


 世界から200万人が一斉に集まる大巡礼はとってもハード。

 毎日何キロも歩く上、丘を登ったり、投石したりと身体的に負担のかかる行為が多いため、毎年高齢者を中心に200人以上の方が巡礼中に力尽きて亡くなっています。

 また、インドネシアのムスリムは、アラブ諸国などのムスリムと比べて体が小さいため、移動の際に巡礼グループからはぐれてしまったり、けがをするケースが続出しています。

イスラムのビッグイベント「犠牲祭」

 巡礼に参加していないムスリムたちは、大巡礼の最終日の翌日(2013年では10月15日)に犠牲祭(イドゥル・アドハー、イード・アル=アドハー)を行います。

 犠牲祭は、断食月明けの休暇レバランと並ぶインドネシアのイスラム教の祝日。

 もちろん国民の休日です。モールなどは営業していますが、ゴルフ場などは休業しているところが多いです。


イード・アル=アドハーはヒジュラ暦の12月10日から4日間にわたって行なわれる。この日は世界中のムスリムによるサウジアラビアのメッカへの毎年恒例の巡礼においてアラファト山を降りる日の翌日にあたり、すなわちハッジの最終日である。また、巡礼に参加していないムスリムも動物を1匹生贄として捧げ、この日を祝う。wikipedia「イード・アル=アドハー」より

 この犠牲祭でのメインイベントは、牛やヤギを神に捧げること。

 牛は一頭20万円、ヤギは1万円程度と高額なので、金銭的に恵まれたムスリムが地域のために牛や羊を提供し、地域住民とともにと殺し、恵まれない人々に肉を分け与えます。


 犠牲祭2週間くらい前から、街のいたるところで路上に犠牲祭用の牛・ヤギ市場が出現します。


 前日からそれぞれの町内会の広場やモスクに何十頭ものヤギや牛が集まり、当日の朝に地域の男性たちが力を合わせて順々にと殺していきます。その場には、子どもを含む地域住民がみな集まり、肉になっていく様子を見守っています。

 

 場所によっては道路に血痕がべったりと残っていたり、一日中血生臭いにおいが漂っていますが、この時期の風物詩と考えてよいでしょう。

 と殺のために道路が突然通行止めになることもあるので、要注意!


 日系企業でも、犠牲祭に従業員を集め、牛をと殺し肉を配る、というCSR活動をしている企業があるそうです。

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